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WS Journal 10 草から糸へ からむしの糸を績む

裂く、績む、撚りをかける。
同じ作業を繰り返していくうちに、からむしが手になじみ、どんな状態のときにどのように手を動かせばよいのかが少しずつわかってくる。身体がからむしに応えていく感覚。
その過程は静かでありつつ、ワクワクもするもの。どっぷり集中する楽しさがある。

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「糸を績む」
こう書いて、「え、つむ?」と言われること、よくあります。
なかなか聞きなれない言葉、「うむ」。

繊維を裂いて、指先で撚って繋げて、容器に送ってためていく。
ひたすら裂いて、繋げて、送っての繰り返し。
地道な作業、黙々と。
とっても時間がかかるけど、日々黙々とこれを繰り返しているといつの間にか糸が重なったかたまりができている。

単純に見えて、実は奥が深い。
ここで使っているからむしの繊維は、ただ茎の皮から手作業で取り出したもの。
細かな細かな繊維細胞がたくさん寄り集まって、ペクチンやらなんやらでまとまっているもの。
植物の体の一部。植物のいのち。
だから、そのからむしが育った土壌や日射時間、気温や湿度によって育ち方が違う。
どのタイミングで刈り取るかでも、厚みも長さも変わってくる。
まっすぐすっと裂けてくれるもの、繊維細胞が短くて毛羽になりやすいもの、硬いもの、柔らかいもの、厚いもの、薄いもの、さまざま。
それらを指先で、唇で舌先で感じ取りながら、作りたい糸の太さに合わせて裂いていく。
でも、こっちの都合ばかりで無理矢理裂こうとすると絡まってうまく裂けない。
その繊維の、植物の身体に合わせてこちらの指づかいも微妙に変わってくる。

撚り繋ぐ工程=績む工程も、結構大変。
現代生活において普段撚るってあまりしないから、撚ろうとしても滑ってうまく撚れない。
撚るのに使う人差し指と親指だけじゃなくて、張りを持たせるために実は小指も頑張ってる。
指ってこんなふうに動くんだ。
自分の身体に出合い直す。

績み繋いだ繊維は、仕上げに最後全体に撚りかけることで断面の丸いいわゆる「糸」になる。
(この工程はなくても糸として使えるけど、より扱いやすく、丈夫になる。)
それまでの工程がうまくいっていればスムーズにできるけど、「裂く」時の毛羽が多いと引っかかって絡まるし、「績む」撚りが弱いと引っこ抜けてしまう。
一つ一つの作業が、次の作業に影響する。
だから一つ一つを丁寧に。

こうやって、地道に地道に作業して、ようやく糸ができて、それをさらに織り上げて初めて布が手に入った時代が、かつてあったのだ。

最初は、なれない動きに肩が上がったり、変な力が入ってしまう。
そうすると肩は凝るし指は攣りそうになる。腕も肘も背中も全身痛くなる。
でも力を抜いて植物に身体を委ねるように動かせば、長時間の作業もできるようになってくる。
植物のいのちとの対話、自分の身体との対話、深まり、沈み、静けさへと。

その、入り口となるのがこのワークショップ。
からむしの繊維を裂き、績み、繋ぐ、糸にする。
少人数で丁寧に、じっくり取り組む4時間。


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WS随時予約を承っております
詳細・お申し込みは↓
https://www.umitomk.com/event-details/kusakaraitoe
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1枚目の写真は開催場所の一つ、ハルバル材木座さまからいただきました。

Year:

2025年

Materials:

からむし, ramie

Link

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